洞窟ガイドライン
沖永良部島ケイビング協会は、沖永良部島の洞窟と自然とそこにある遺物の保全を第一に考え、洞窟に入るすべて方々の安全とマナー向上をすすめる団体です。
これまでの沖永良部島でのケイビングと洞窟の現状
数十年前より、この島の洞窟は社会人洞窟探検隊、大学探検部によって探検されてきました。調査の結果、総延長日本第2位の洞窟をはじめ、大小約200から300の洞窟の存在が解明されています。現時点では、役場に申請して警察・消防に入出洞の連絡をすれば、誰でもどんな団体でもこの島の洞窟に入洞できます。島にとっての財産が解明されていったことは大変すばらしいことなのですが、一方では人が入れば入るほど洞窟が破壊されているのも現実です。 これまで、島民が沖永良部島の自然洞に入洞することはあまりありませんでしたが、近年、島民が入洞する機会も増えつつあり、それとともに洞窟の現状を知って、心を痛められています。具体的には、白くて美しい鍾乳石の上を泥の付着した靴で歩き回って汚されてしまったり、泥の付着した手袋で不注意に触ってしまって汚されてしまったりしています。一度汚された鍾乳石の汚れは半永久のものになってしまいます。 また、安全面でも問題はたくさんあります。退路喪失、滑落、低体温症、溺水など洞窟は危険でいっぱいです。社会人ケイバーはそれなりに経験年数が長く、ある程度の技術的なスキルやマナーを備えている場合も多いのですが、実際には経験が少ないパーティーが入洞することもありました。洞窟の破壊、事故、遭難などは経験が少ないパーティーだけの入洞による無知から引き起こされることが多いです。洞口だけ教えてもらってただ入っていくという活動では、安全なルート、いろいろなマナー、破壊を最低限にできるルートなど知らない、わからない状態になってしまいます。そのような状態でケイビングを行えば、リスクも高くなるのは当然のことです。
このガイドラインについて
こうした無知から引き起こされることの無いようにするにはどうしたらいいのか?わたしたちは検討しました。そこで、沖永良部島の洞窟に入洞する方達へ「島の財産である洞窟を守り、この島でケイビングをする方達を守るため」のガイドラインの作成が急務と考え、この島の組織がそれを管理、監視していくために、このガイドラインが作られました。 このガイドラインによって、洞窟を守るための方法を知り、入洞の際のルールを守り、安全意識の向上を図り、この島でケイビングを行う方たちの事故防止につながっていき、少しでも沖永良部島の洞窟が守られ後世に受け継がれていくことを望んでいます。このガイドラインは沖永良部島のすべての洞窟の入洞に適応されるものとなります。 このガイドラインは決して沖永良部島の洞窟に入洞される方々を排除するものではありません。沖永良部島と洞窟を愛し、活動していくみなさんの安全と洞窟保護を最優先している内容になっています。また、事故が起こった場合、関係各所、沖永良部島の方々に多大な迷惑がかかってしまいます。このガイドラインは事故当事者を含めた関係者、関係各所の方々の負担を軽減することにつながる内容となっています。
洞窟ゴミゼロ運動の取り組み
このガイドラインに賛同していただいて沖永良部島でのケイビングを楽しんでいただく方々にお願いがあります。洞内、洞外には、投棄されたり流れ込んだりしたゴミなどがたくさんあります。入洞時にそのゴミを少しでも持ち帰っていただきたいのです。沖永良部島と沖永良部島の洞窟は洞窟探検をする者にとっては聖地のようなところです。この島を愛しているなら是非!このガイドラインと共に洞窟ゴミゼロ運動にご協力ください。
- 自分たちのゴミは持ち帰るのが原則です。
- 拾ったゴミを沖永良部島内で捨てる場合は、沖永良部島の指定ゴミ袋をご使用ください。指定ゴミ袋はAコープなどで販売されています。また、ゴミは可燃物と不燃物など自治体に定められた分類方法に従って分けて、指定の集積場に出してください。
不明な点は沖永良部島ケイビング協会にお問い合わせください。